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なぜ「直訳」しただけの英語サイトは海外で売れないのか?バンクーバー在住デザイナーが教える多言語化ローカライズの鉄則

インバウンド(訪日外国人向けビジネス)の強化や、海外への販路開拓を目指して、自社のWebサイトを英語化する企業が増えています。

しかし、多くの現場でこのような悩みを耳にします。 「DeepLやAzure、AIを使って高精度な英語サイトを作ったのに、海外からの問い合わせが全く増えない」 「アクセスはあるのに、直帰率が高く、すぐに離脱されてしまう」

翻訳の精度は上がっているはずなのに、なぜ成果に結びつかないのでしょうか?

結論からお伝えします。原因は翻訳の質ではなく、「デザインのローカライズ(最適化)」ができていないからです。

Webデザイン歴10年、300件以上のプロジェクトに携わり、現在はカナダ・バンクーバーを拠点に活動する筆者が、日本のWebサイトが海外でウケない理由と、世界基準で成果を出すための多言語化デザインの秘訣を解説します。

日本のWebサイトが海外でウケない3つの理由

言葉が正しくても、デザインが原因で「怪しい」「見づらい」と判断されれば、海外のユーザーは1秒で離脱します。そこには、日本と海外の決定的なカルチャーギャップが存在します。

理由1:「情報過多」と「引き算の美学」のギャップ

日本のWebサイトは、1ページの中に文字やバナー、細かな情報をぎっしりと詰め込む傾向があります。これは日本国内において「情報の網羅性=安心感」に繋がるためです。

しかし、北米をはじめとする海外の主要サイトは正反対です。 無駄な要素を徹底的に削ぎ落とし、大胆な余白(ホワイトスペース)を使い、「一瞬で何が伝わるか」という直感的なミニマリズムを重視します。日本の感覚のまま英語を詰め込むと、海外ユーザーにとっては「ノイズが多く、どこを見ればいいか分からないサイト」になってしまいます。

理由2:フォント(タイポグラフィ)への無頓着さ

Webサイトの多言語化で最もスルーされがちなのが「英字フォント」の選定です。 日本語の明朝体やゴシック体に、なんとなくシステムデフォルトのフォント(Arialなど)をそのまま合わせた英語サイトをよく見かけますが、これは海外ユーザーから見ると、一気にチープで怪しい印象(フィッシング詐欺サイトのようなチグハグさ)を与えてしまいます。

英語には英語の、そのブランドの格を上げるフォントトレンド(洗練されたセリフ体や、モダンなサンセリフなど)があります。フォント1つで、企業の「信頼感」は劇的に変わります。

理由3:写真やビジュアルのミスマッチ

日本でよく使われる「親しみやすいイラスト」や「笑顔のビジネスパーソンの素材写真」は、海外のビジネスシーンでは「子供っぽい」「チープで専門性を感じられない」と捉えられるケースが多々あります。 ターゲット国の文化や価値観に合わせた、よりリアルで、ストーリー性を感じさせるビジュアル選定(ビジュアル・ローカライズ)が不可欠です。

成果を出すための「多言語化デザイン」3つの秘訣

では、世界に通用し、しっかりとコンバージョン(成約)を生むWebサイトにするにはどうすればいいのか。押さえるべき3つの秘訣を紹介します。

秘訣1:文字数の伸び縮みを想定した「柔軟なUI設計」

日本語から英語に翻訳すると、文字全体のボリュームが約1.5倍〜2倍に膨らみます。 一画面に収まっていたボタンやナビゲーションが、英語になった途端に崩れてしまうのはこれが原因です。

多言語化を前提とする場合、最初からテキストの伸縮に耐えられる柔軟なコンポーネント設計(Figmaでのオートレイアウト活用や、Tailwind CSS等を用いたコーディング)を行い、どの言語で見ても美しいバランスを保つレイアウトを組む必要があります。

秘訣2:自動翻訳を活かし、デザイナーが「デザインを翻訳」する

現代のAIやAzureなどの翻訳APIは非常に優秀です。テキストの翻訳はこれらを使って効率化・低コスト化を進めるのが正解です。

しかし、その先にある「現地のユーザーが直感的に心地いいと感じる色彩、レイアウト、世界観の調整」は、システムにはできません。 ツールで文字を英語に変え、人間のデザイナーがそのブランドの魅力を現地のカルチャーに合わせて「ビジュアルとして翻訳」していく。この2ステップの手間をかけることで、初めて「売れる多言語サイト」が完成します。

秘訣3:ユーザーを迷わせないグローバルUX

海外ユーザー向けのサイトには、世界共通の「お作法」があります。 例えば、言語切り替えスイッチはヘッダーの右上(またはフッター)に地球儀アイコンと共に配置するのが世界水準のUX(ユーザー体験)です。

こうした細かなインターフェース設計の一つひとつが、海外からの訪問者に「使いやすい、信頼できるサイトだ」と感じさせる強固な土台になります。

結論:言葉だけでなく、デザインも世界基準へ

Webサイトの多言語化とは、単にテキストを英語に翻訳することではありません。 「その国の人々の視線、価値観、文化に合わせて、ブランドの見せ方を最適化すること」です。

せっかくの素晴らしい製品やサービスも、サイトの見た目ひとつで海外進出のチャンスを逃してしまってはもったいありません。自動翻訳の枠を超え、世界に刺さるクリエイティブで、次のステージへ挑戦してみませんか?

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この記事を書いた人

WEBデザイナー、エンジニア歴10年
レスポンシブデザイン、カスタムポスト、カスタムフィールドなどを用いたWordpressサイトの構築を得意としています。Elementorを使ったWEBデザインやカスタマイズの技術を初心者にも分かりやすく解説しています。

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